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2022.08.27

【INTERVIEW】edhiii boi, RUI, TAIKI / 『15th Dream』Special Interview

BMSGに所属するedhiii boi/RUI/TAIKIの三人が集い、それぞれのソロ曲、そして3人によるコラボ楽曲2曲を収録したEP「15th Dream」が7月1日にリリースされた。iTuneチャートでも1位を獲得し、その注目度とクオリティの高さを数値としても実証した3人に、改めて「15歳の現在地点」を語って貰った。

○3人は現在行われてるSKY-HIのツアー「SKY-HI HALL TOUR 2022 -超・八面六臂」にフロントアクトとして、そしてライブにも“14th Syndrome”のゲストとして登場していますが、ツアーに帯同しての手応えはいかがでしょうか?
TAIKI(以下T):色んな場所でライブができて、そして各地の観光も楽しめるのは嬉しいです(笑)。BMSGのトレーニーとして、ずっと練習を重ねて、インプットをしてきたので、今回のオープニングアクトでその積み重ねをアウトプットすることができて、手応えを感じるし、勉強になってます。
RUI(以下R):ステージはやっぱりめちゃめちゃ緊張感がありますね。
edhiii boi(以下e):ここで僕らを初めて知ってくださる方もいるだろうし、本番前にスタートするので、客席も明るくて、お客さんの顔もよく見えるんですね。
R:でも、だからこそステージ上での自分たちの見え方や表現を意識するようになりました。それは歌い方や技術もそうなんですが、お客さんとどうコミュニケーションを取るかも大事にしています。それが課題だとも思ってて。
T:リスナーの方と音楽を同じ空間で楽しめるのは最高の経験なので、もっとそれを高めていきたいと思うし。
e:「見え方」も考えるよね。全体的な立ち居振る舞いもそうですけど、「この曲では15歳らしく明るい感じにしよう」「この曲ではビシッと決めた方がお客さんから綺麗に見えるよね」みたいな部分も意識するようになりました。そして、ライブの中で一個一個課題を見つけて、次の場所でそれを解決しようと思いながらライブを重ねてますね。「次の場所までにこれはクリアしよう」と、いつも3人で話し合っています。
○その意味でも、3人ともパフォーマー/エンターテイナーとしての意識が高まってきたというか。
e:ソロではedhiii boiだけど、3人でコラボするときは内野創太に寄せた方がいいのかな、とかアプローチを考えるようになりましたね。edhiii boiは一つのキャラクターでもあると思うんですが、この3人ではより素の自分、高校生らしい自分を出せるのかなって。本当に3人でいるときは素の自分でいられるし、仕事以外でも時間が合えば会っているし。ツアーでホテルに泊まるときも、集まって割と真面目な話をしたり。
R:このまえ、ケンカしたんですよ(笑)。
T:初めてだったよね。その日のうちに仲直りして、最後は3人で同じ部屋で寝たんですけど(笑)。
e:でもそうしてぶつかるぐらい、関係性が深まったと思うし、そこでよりお互いを知ることができたと思います。
○理解してもらいたかったり、思いに齟齬が生まれるからケンカになるわけで。“Anytime, Anywhere”の中にも「超仲良いfriends」というリリックがありますが、そうやって絆が深まっていると。
e:初めて会った時からフィットする感触はあったんですよね。しっかり話したのは“14th Syndrome”のレコーディングだったんですけど、最初は「川島塁君だよね……?」って感じだったんだけど、5分後ぐらいには「あのさ~」みたいな(笑)。
R:早い(笑)。
e:そこからどんどん深まってると思いますね。
○いま話に出た“14th Syndrome”のリリースから一年弱が経ちますが、この1年は3人にはどんな時間でしたか?
e:早かったよね。
R:とにかく濃かった。
T:激動の一年だったね。
R:本当に素晴らしい経験をさせて頂いた1年だと思います。“14th Syndrome”のときは精神年齢も低かったし、まさに中二病だったのかも知れないんですが、やたらと自信があったんですよね。だから当時の映像やコメントを見直すと「ダメだこの子……」と(笑)。でもこの一年で、パフォーマーとしてもっと上手くなって、もっと意識を高めてと思うようになったし、自分を律するようになったと思います。
○色んな経験の中で、謙虚になったというか。
R:そうですね。だいぶ謙虚になったと思います(笑)。
T:僕は「THE FIRST BOYS GROUP AUDITION 2021」に参加したように「自分のことを誰も知らない状況に挑戦する」という気持ちがすごく強かったんですね。そこからトレーニーとしてBMSGに参加して、自分のことを知ってくれている人がいる状況でライブできるようになったことで、それはすごく嬉しいことなんですけど、同時にもっとチャレンジする状況にも自分を置きたいなとも思うようになりました。例えばMCバトルに挑戦するとか。最初にMCバトルに挑戦したのは小学校3年生だったんですけど。
○それはすごい!
T:BMSGの経験の中で伸ばせたラップ技術がどれぐらい通用するのかは知りたいし、もっと自分を磨きたいと思うようになった1年でしたね。
e:僕は「THE FIRST BOYS GROUP AUDITION 2021」では2人より先にふるいにかけられていたので、実は“14th Syndrome”のときは「僕がそこに混ざっていいのかな……」という気持ちがあったんですね。だから2人に追いつきたいという気持ちが強くて。だから“14th Syndrome”にはその時にしか書けない気持ちがあると思うし、“初心に戻れるんですよね。あのときに思った気持ちは、忘れずにいたい。

○そして「15th Dream」がiTunesチャートで1位を獲得しました。
e:生意気なようですけど「取ったな」って。この1年で3人が培ったものが形になったから、自分としてはすごく自信があったし、まぐれで取れたというよりは、「取れたね」と安心する感じでした。
R:僕はエディと正反対で「え!?一位!」って思いました。運動会で1番とかだったら頑張ればできるかも知れないけど……。
e:それはそうでしょ(笑)。
R:変な喩えになっちゃった(笑)。でも音楽シーンの中でチャート1位なんて簡単に取れるもんじゃないし、そんなことが達成できたんだと、感動しました。
T:やっぱり、応援してくださる皆さんの力をひしひしと感じましたね。チャート1位という称号はそういうことだと思うし、いま15歳で、トレーニーという立場で日本一を取らせて貰ったなら、デビューした時には世界チャート1位を取る覚悟ができたっていうか。
e:ただ“Nightmare”はダンス&ボーカル曲で、しかも日高さんのフロントアクトで披露する曲だから、そのパフォーマンスに対する不安は正直あったんです。もっと言うと……(TAIKIとRUIに)正直言っていい?
T:うん、いいよ。
e:最初に話を受けたとき、特に“Nightmare”はこの3人で作るのは無理なんじゃないか、と思ったんだよね。
R:そうだったんだ。
e:ダンス&ボーカル曲という部分でも、3人でそれができるのかなって。だから「高い壁だ……」と思ったし、レコーディングまでめちゃくちゃ怖かった。
T:確かに“14th Syndrome”のときは、日高さんがいるからこそ纏まったと、曲を聴いても、ライブを通しても思いました。だから3人だけでどう纏められるのかなって。本当に個性がバラバラな3人だから、やってみなきゃ分からないという気持ちでレコーディングには挑んで。
e:空気が違ったもんね。ピリピリしてた。でも不安を乗り越えて作った曲だからこそ、出来上がった時には本当に嬉しかったし、自信も生まれましたね。そして1位を取れたことで安心できたというか、曲では結果を出したから、あとはパフォーマンスに集中しようと思えたというか。


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○そしてそれぞれのソロ曲についてもお話を伺えれば。まずはRUIさんの“Diamond”ですが。
R:「THE FIRST」のクリエイティブ審査での“YOLOのようなユニットでの制作はあったけど、1人での制作は初めてだったんですね。それで最初は「作れるだろうな」と甘く思ってたんですけど、実際制作が始まったら、歌詞もメロディも浮かばなくて……もう無理!って(笑)。
e:夜な夜な電話してきたもんね〜(笑)。
R:めちゃくちゃ相談したよね。制作でもガチで5回ぐらい泣きました(笑)。だから最初に書いた歌詞はもうめちゃくちゃ暗くて。
e:完全にそのマインドが反映されてたよね。「それ今のRUIじゃん!」って(笑)。
○「流れた涙」という言葉はその時の偽らざる心境だったと。
R:本当にその時の自分の状況でした(笑)。だから変に気取ったり、濁さないで真っ直ぐに歌詞を書くことを意識しましたね。2人からそういうアドバイスを貰った部分もあるし、それが書くべきことなのかなって。
T:RUIにしか書けない歌詞だよね。
R:ありがとう。
○「不安の中からどう希望を掴むか」という感情をすごく詩的に書いていますね。
R:自分に向けて書いた部分はもちろん、同じように悩んでる人にも届いて、この曲で救えるといいなと思いましたね。悩みに悩んで作った曲だから、その時の精一杯だし、その経験はすごく糧になっています。でもライブを通してもっとできたかも知れないと思う部分も生まれたので、それを反省点として次に活かしていきたいと思いますね。

○edhiii boiさんの“Kawaii”はタイトル通りキャッチーな内容ですね。
e:なんというか……日記みたいな感じですね。 日記感覚でリリックを書くことが多いし、こういう歌詞のようなモードの日だったんだと思います(笑)。“Anytime, Anywhere”は内野創太の部分が、“Nightmare”はハードな部分が出てると思うんです。そしてRUIの“Diamond”とも、TAIKIの“On The Way”とも違う、もっとedhiii boiっぽいスタンスを曲に出したいと思ったときに、この曲が浮かんだんですよね。それでタイトル自体も“Kawaii”とシンプルなものにしようと。
○勢いのある感じは、edhiii boiさんならではだと思います。
e:一旦リリックができたら、そこからリライトすることはあまりないので、それが勢いにも通じてるのかも知れないですね。それこそ「蒸気機関車のような可愛い乗り物」っていうのは、自分で聴いても「……なに言ってんだ」という感じなんですけど(笑)。でもedhiii boiのコンセプトとしても、パッと聴いて分かるような曲を作りたくないんですよね。曲を聴いて、ラップを聴いて、そこから何かを想像して欲しいというか。考えながら聴いて頂ければ嬉しいし、その意味でもこういう表現は面白いんじゃないかなと思いますね。

○TAIKIさんの“On The Way ”は、決意や意思を強く感じる曲ですね。
T:BMSGのメンバーになって初めてのソロ曲だったので、何を書くべきかすごく悩んだんですけど、自分の曲を聴いて自分を奮い立たせたり、勇気づけられるような曲を作りたいと思ったんですよね。僕は小学生の時に“道の途中”という曲を出していて、その進化バージョンとして“On The Way”という曲を作ろうと。小学生のときとは違う環境に、新しい道に踏み込んだときに、それがどういう道を目指しているのかを書きたかったし、その新しい道に進んでる自分を勇気づけたかったんですよね。
e:聴いたとき「TAIKIがこんな前向きな曲を書いてるのに、俺は“Kawaii”か〜」ってちょっと考えちゃったもん(笑)。
○ハハハ。でもそのバラエティがあるから、広がりのあるEPになったと思いますよ。
T:やっぱり仲間だけど負けたくはないと思う気持ちもあるし、ベストフレンドであり、ライバルでもあるという思いが作品にも反映されたのかなって。
e:このEPの制作から3人で話す内容が変わったよね。ワチャワチャしてたのが、本当に音楽やパフォーマンスの話しかしなくなったし、一番フワッとしてたRUIがビシッとしようって締めるところは締めてくれたり。本当に自分たちでしっかりしようというマインドになったし、姿勢が前向きになったと思います。
○EPは“Anytime, Anywhere”で閉じられますね。
T:tofubeatsさんのビートを聞いた瞬間「夏!」って感じがしたんですね。それで「いつでもどこでも楽しんで、遊びまくる」みたいな楽曲にしようと。
e:「夏休みが始まるぞ!」みたいなイメージがあったよね。 でも僕は夏休みは家に篭るタイプなんで、「……みんな夏休みはなにしてんの!?」ってネットで調べました(笑)。それで、やっぱり自分の日常を考えるとラップがメインになるので、こういう歌詞になったんですが、今年の夏はもっと遊んで、来年のサマーソングはもうちょっと夏休みっぽい曲が書けたらなって(笑)。
R:僕も夏はだらけちゃうタイプ……。
e:(RUIに同意として拳を合わせようとするedhiii boi)
R: (それを断って)「タイプだった」から。
e:え〜、過去形(笑)。
R:いまはビシッとしようと(笑)。でも、あまり深く悩みすぎずに「自分の夏ってなんだろう」「夏の日常はどうだったかな」をシンプルに書きました。だから“Diamond”よりもスムーズだったし、聴いてる人に少しでも夏を感じてもらいたいと思いますね。
T:このワクワク感というか、胸がザワザワするような楽しさを、どうお客さんと共有できるかを、ライブのときにいつも考えていますね。
○この曲ではedhiii boiさんとTAIKIさんがラップで掛け合いもしていますね。
e:お互いに書いたヴァースを交換したんですよ。
T:そうそう。
e:レコーディングがすごくスムーズに進んだんで、もうちょっと遊びたいなって掛け合いに切り替えて。そこで「自由さ」みたいな部分も表現したかったんですよね。

○3人のコラボはこれからも考えていますか?
R:僕は作りたいです。
T:3人はもちろん、他の人に入ってもらうとどうなるんだろうなとか、色んな方向性を想像するとワクワクしますね。
e:個人的には、「すぐにまた3人のコラボを」というよりも、もうちょっとそれぞれ足りない部分や、スキルを磨いてから再集合できたら面白いのかなって。 日高さんのツアーに帯同させて頂いてることも成長だし、これからまた3人がソロやレッスンを重ねれば、いろんな変化が生まれると思うんですね。そうやって自分の道がちゃんと見えたときに、改めて合流できたら、より面白いものができるんじゃないかな。
○最後に5年後、ハタチになった時にはどうなっていたいと思いますか?
T:僕はトレーニー期間を卒業してデビューをしていたいです。本当に個人的な想いなんですけど、この3人を含めたダンス&ボーカルグループとしてデビューしたい。そして個人としてのソロも並行させて、世界にぶちかましたいと思いますね。
○ソロではなくユニットをイメージしてるのは?
T:やっぱりオーディションを受けたきっかけが、グループのメンバーになりたかったからだし、その想いはいまも変わっていないです。グループだと仲間がいるから心強いと思うし、自分の歌やラップとダンスが組み合わさった時に、もっと迫力が生まれるんだろうなって。その上でソロの動きもできればと思います。
R:めちゃ格好つけた言い方になるんですけど、「自分で自分を認められるようなアーティスト」になりたいですね。それはパフォーマンス力や歌唱力という技術面はもちろん、自分という人間そのものをちゃんと肯定できるような、自分を尊敬できるような立派なアーティストになりたい。そして世界を目指したり、ビッグなアーティストというキャリアを重ねていければなって。
e:いまの僕は、edhiii boiという種から芽が出て、やっと葉っぱが生えたかなと思うんですね。でも僕自身、まだ「edhiii boi」としっかり向き合えてない部分がある。edhiii boiは自分自身であり、同時にキャラクターでもあると思ってるので、まだ自己紹介するときに、ちょっと気恥ずかしい部分もあって。でも、それはまだ遊び感覚な部分があるからだと思うし、もっとプロとしてedhiii boiを活躍させて、自信をもって「edhiii boiです」といえるような存在に、ハタチの時にはいえるようになりたい。そのために色んな経験をして、自分を確かなものにしていかないといけないと思いますね。

インタビュー・文:高木”JET”晋一郎